「アーミッシュは閉鎖的な人たち」と言うけれど、実際は違った

アーミッシュコミュニティ紀行で感じたこと

18083101先週まで約2週間、ウィスコンシン州のアーミッシュコミュニティのところへ旅をしておりました。
思っていた以上に色々と目撃することができ、学びがあり、考えることがあり、今、少しずつ整理しているところです。

まず一番最初に記事にしておこうと思ったことは、「アーミッシュは閉鎖的な人たちではない」ということ。

前々から薄々と感じていたことなのですが、今回の滞在で改めて実感したことなので、私の経験と考えをまとめておこうと思います。

一般的なアメリカ人のアーミッシュに対するイメージ

アメリカ人のアーミッシュに対する印象はまちまちですが、概して「閉鎖的」と思われているようです。
私たちと違って、SNSやインターネットを通じて自らの文化を発信したりしないですし、交換留学や文化交流などの相互コミュニケーションの取り組みもないです。(当然ですが・・・)
彼らの文化や生活がミステリアスで、詳しく知りたいと思っても情報が限られていることから、「閉鎖的」と思われがちのよう。

でも実際のアーミッシュと接していて、「閉鎖的だなー」と感じたことは、一度もありません。

車ですれ違うとき、アーミッシュの方から挨拶してくる

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アーミッシュコミュニティを訪問するときは、必ず車が必要になります。
電車もない、バスもない、最近トレンドのuberもいない、自転車で周るには広すぎる・・・そんな土地に彼らは生活しているからです。
日本で言うと、北海道の田舎の方の土地に近いような気がします。見晴らしの良い草原の中に、ポツポツと民家があるような光景です。
このエリアを車で走っていると、アーミッシュのバギーや歩いているアーミッシュとすれ違うことが多々あります。私が驚いたのは、必ずアーミッシュの方から挨拶をしてくることです。
挨拶と言ってもこちらは車に乗っていて一瞬にして通り過ぎるので、手を顔の前に掲げるような軽いものです。アーミッシュが少し口角をあげて車の中にいる私をしっかり見つめ手を挙げてくれるので、ちょっと嬉しくなります。

こちらは車に乗っているので、彼らから見たら仲間ではないことは明らかなのですが、同じ場所・同じ時間を共有するいち人間として、挨拶してくれるのでしょう。

この挨拶の習慣はウィスコンシン州のアーミッシュに限ったことではなく、オハイオ州のアーミッシュも同様でした。

ドライブを続けて何度も挨拶をされる経験をすると、「アーミッシュ=閉鎖的」というイメージが少しずつ薄れていきます。

いたって普通に会話をしてくれるアーミッシュたち

今回の旅の最中、アーミッシュと話す機会は多くありました。彼らとのコミュニケーションは、いたって普通です。質問をすれば教えてくれるし、面白いことに遭遇すれば一緒に笑うし、困っていれば助けてくれます。

明らかな壁をつくられたり、拒絶されたり、無視されたり、そんなことは一度もありませんでした。もちろん、逆にどんどん距離を縮めてくることはありませんが、それは普通の人でも一緒ですよね。初めて会った人とは当たり障りのない会話をして、その場の出会いを楽しむ。アーミッシュも一緒でした。

オープンで好奇心旺盛なアーミッシュ

中にはオープンなアーミッシュもいました。

Daltonというアーミッシュコミュニティで生地屋を営むアーミッシュの婦人が一例です。
彼女は私が日本から来て、アーミッシュの文化を調べていると分かると、親切にも自分たちの生活を説明してくれました。

お手洗いを借りたついでにリビングや寝室やキッチン、ゲストルームなどの部屋の中も見せてくれて、写真も撮らせてくれました。(自分が写真に映リ込むことが無ければ撮影を許してくれるアーミッシュは多い)

私にも興味を示してくれて、家族構成や仕事など色々と質問してくれます。彼女の家族のことも教えてくれて会話がはずみ、ひとときの楽しい時間を過ごしました。

今回の旅で、このようにオープンなアーミッシュに何人か出会いました。

もちろん、最低限の会話しかしたがらないアーミッシュもいました。でも、会話を楽しむ余地を与えてくれないような人って、どこの世界にもいますよね。アーミッシュにそういう人が多いとは特別感じませんでした。

結局、アーミッシュである前に人間。オープンな人もいれば、クローズな人もいる。そこに、アーミッシュならではの特別な傾向は見出せないというのが私の経験上の意見です。

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↑家の中を見せてくれたときの写真。電気がないので、食卓ではランプが必需品。まだ明るい昼間だったのですが、わざわざ火をつけて、使い方を説明してくれました。

アーミッシュ学校での体験

「アーミッシュ=閉鎖的」というイメージは、アーミッシュの学校で折り紙を教える経験をしてから完全に払拭されました。
オハイオ州での滞在でもそうでしたが、子どもは特に、オープンでアグレッシブで好奇心旺盛です!

もちろん、最初は遠慮して恥ずかしがっているのですが、時間が経つにつれて、どんどん話しかけてきます。

今回は四人のグループで折り紙を教えたのですが、中には作った折り紙にサインをせがまれた人もいました(笑)
鶴やカエルの折り紙を教えると、子ども達は大興奮。「作り方をもう一度教えて欲しい」、「綺麗に折れないので折って欲しい」、などなど、次から次へとものすごい要望の嵐でした。

興味深い折り紙というおもちゃを手に入れた子どもだから当然かもしれませんが、「閉鎖的なアーミッシュ」という感覚は1mmも感じなかったです。(むしろ、その勢いに圧倒・・・笑)

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↑アーミッシュの子ども達と折った折り紙

相違点よりも共通点の方が多い

オハイオとウィスコンシンのアーミッシュコミュニティに滞在して私が感じたのは、アーミッシュも私たちと同じ人間。相違点よりも共通点の方が圧倒的に多い、ということです。

いっぷう変わった服を着ていたり、馬車に乗っていたりするから「相違点」ばかりに目がいってしまうけど、話してみると普通の人たちです。確かに彼らの価値観や生活様式の志向は私たちのそれとは違うことがたくさんあるのですが、アーミッシュである前に一人の人間であり、それぞれの個性があります。私もこうゆうふうにアーミッシュの文化を発信する活動をしているのでついつい色眼鏡で見てしまうことがあります。

こうやって実際に彼らと接すると、自分の色眼鏡を自覚できます。やっぱり、フィールドワークって大切だなと改めて実感する旅でした。

2018年3月のウィスコンシン州アーミッシュコミュニティ紀行の記事は、まだ続きます!


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