12歳でオムツ替えは普通。スムーズに母親になるアーミッシュの女の子たち

アーミッシュの家族と暮らしてみて驚いたことの一つが、上の子が下の子の面倒をよく見ることです。

特に、まだ5,6歳の小さい子達が赤ちゃんの世話を責任をもってこなしている姿には感銘すら受けました。
特にこの女の子・マリー6歳。

下の子を面倒みるアーミッシュの女の子

まだマリー自身も小さいのに、赤ちゃんを慣れた手つきで抱っこするんです。自分の腰骨に赤ちゃんの重心を置いて、片手で抱きかかえて歩き回ることができます。こんなふうに↓

 

赤ちゃんを抱っこするマリー

赤ちゃんの抱っこに慣れていない私は、このマリーの姿を真似して「抱っこ」のテクニックを習得しました(日本に戻ってから友達の赤ちゃんを抱っこしてて、「抱っこが上手いね」って褒められました!w)。

赤ちゃんが泣いている理由を考えて、できるだけ自分で解決する

マリーは兄弟の中でも赤ちゃんの面倒を率先して見る子です。たとえば、赤ちゃんが泣き出すと誰よりも早く駆けつけて抱きかかえてあげます。そして、泣いている理由を自分で考えて解決することもできます。

「水が欲しいんだと思うから、水をあげるね」

「お気に入りのブランケットがあれば泣き止むかも。ちょっと持ってくる!」

「眠いみたいだからお母さんのところに連れていこう」

これは、マリーと一緒に赤ちゃんの面倒を見ていたときの彼女のセリフ。

赤ちゃんは喋れないから、泣くというサインで欲求を訴えますよね。マリーはその欲求が何かを考えて自分の力でできるだけ解決してあげようとします。

水を飲ませてあげる
泣き出した赤ちゃんに水を飲ませてあげるマリー。見事に泣き止む。

泣き出したからすぐにお母さんにパス。ということはしないんです。お母さんが子育てする姿を見ているので、その姿を見てパターンを掴んでる様子。なんて賢い6歳なのでしょう。

12歳で赤ちゃんのオムツ替えができるのは普通

ある日子ども達と遊んでいるとき、12歳の女の子が赤ちゃんのお尻をクンクンと調べ始めました。
どうやらオムツを交換するタイミングになったようで、女の子は赤ちゃんを部屋に連れていきオムツ替えをしてあげて戻ってきました。

「え?オムツ替えられるの?」
と聞いてみると、「うん。あんまり好きじゃないけどね」とケロリ。女の子が当然のように受け答えすることにも驚きました。

あとからアーミッシュのお母さんに聞いてみると、「12歳でオムツ替えができるのは普通じゃないかな」、と。衝撃でした。

オムツ替えできる女の子
オムツ替えを当然のようにこなしていた12歳の女の子

アーミッシュの家庭では上の子が下の子の面倒を見ることが当たり前ですが、「面倒」にはオムツ替えすら含まれる様子。
単に一緒に遊んであげるだけでなく、率先してやりたくないようなこともしてあげるのです。

スムーズにお母さんになれるアーミッシュの女の子

こうやって小さいときからプチ子育てを経験しているから、アーミッシュの女の子たちはスムーズにお母さんになれるそうです。

オムツ替えも、寝かしつけも、泣きじゃくる赤ちゃんと対峙するのも、母親になる前から経験済み。下の子の面倒を見ながら、いつかお母さんになったときの練習をします。

たとえ末っ子でも、上の兄弟たちの子ども達がそばに住んでいることが多いので、練習の機会はしっかりあります。
実際、マリー達が面倒を見ている赤ちゃんは、彼女たちのお姉さんの子どもなんです。すぐお隣に住んでいるので、頻繁に家の行き来をして赤ちゃんの面倒を見ています。

男の子も面倒を見る

赤ちゃんの面倒を見るのは女の子に限ったことではありません。
この4歳の男の子も、お母さんから「赤ちゃんを見てて!」と言われれば一緒に遊んであげます。
さすがに4歳なので長時間は無理ですが、お母さんが手を離せないすきくらいであれば、赤ちゃんと二人きりで遊んであげています。

まさに、子どもが子どもの面倒を見るという風景でした。
男の子も面倒を見る

育児を経験する環境がない私たち日本人

育児を学ぶ環境があること私は育児系の情報を扱う仕事をしていたことがあるのですが、日本人女性がはじめて育児にチャレンジするときの戸惑い、驚き、ストレスは相当なものなのだな、と感じていました。(私はまだ、経験ありません)
核家族が多い日本では、物心ついてから育児を目の当たりにすることは稀ですし、育児法を学ぶ機会もありません。

いざ自分の子どもを育てることになったときのハードルはとても高いです。私自身、自分が育児をできるかどうか自信がないですし、ほとんど未知な世界なので想像がつきません。

対して、アーミッシュの女性たちの育児のハードルは日本人ほど高くありません。
既に経験済みのことも多いですし、間近で子育てを見ているので自分が母親になったときに動揺することも少ないでしょう。

日本で虐待や育児放棄などの悲しいニュースを見るたびに、もし、アーミッシュのように育児が小さいときから身近なものだったら?と考えてしまいます。

アーミッシュの世界で虐待や育児放棄が皆無なはずはないですが、
少なくとも、育児を日常的に経験できる環境があるということは、個人的にはとても羨ましいことだと思います。
小さいときから育児を経験する

アーミッシュの子育ては私がとても気になっているテーマです。次回、アーミッシュコミュニティに滞在するときはこのテーマについてフィールドワークをしようと考えてます。

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