アーミッシュの学校で白熱の折り紙レッスン

アーミッシュコミュニティ滞在のハイライト

私のアーミッシュコミュニティでの滞在の記録は、インスタグラムの2つのアカウントでリアルタイムで更新していました。

今回の滞在での一番のハイライトは、なんといってもアーミッシュの学校で折り紙を教えた経験です。

アーミッシュに折り紙を教えるのは実は2回目。1回目はオハイオのアーミッシュの家庭で子ども達に教えました。
>アーミッシュに折り紙を教えたらハマってくれた

学校では30人くらいの子ども達に一気に教えるので、家で教えるのとはわけが違います。子ども達はどんな反応を示すのか、ちゃんと折り紙が出来上がるのか、何か問題は起きないか・・・。など心配していましたが、結果、大成功。今回の旅のパートナー達の素晴らしい下準備に救われることになりました。

アーミッシュ学校訪問の経緯

今回、ウィスコンシン州のアーミッシュコミュニティを私に紹介・ガイドしてくれたのは立正大学の教授である浅沼茂先生です。
浅沼先生はウィスコンシン州マディソン大学に留学中にアーミッシュの教育について感心を抱き、コミュニティ内で数年に1回のペースでフィールドワークをされています。

今年の1月に開催した個展が縁で知り合うことができ、今回のフィールドワークへ同行させて頂くことになりました。貴重な研究旅行に私を加わらせて頂き、本当にありがたく、感謝でいっぱいです。

さらに、浅沼先生の教え子でもある優秀な学生さん2名も加わり、総勢4名でのアーミッシュ学校訪問となりました。

滞在先のマディソン市内から、車でたった40分でAlbanyという小さな街にあるアーミッシュコミュニティに到着します。

車から見える風景は、「the アメリカの田舎道」というイメージそのまま。まっすぐな道にどこまでも広がる農地。ポツンポツンと点在する民家。
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訪問したのは冬だったので、草木は枯れており、農作物もない状態。春夏はまた、緑豊かな素晴らしい景色が広がるのでしょう。

二つの学校

全米のアーミッシュの人口はどんどん増えているのが現状です。
>アーミッシュの人口は20年ごとに2倍になり続ける

このエリアのアーミッシュの人口も例外ではなく、コミュニティは拡大中。浅沼先生が3年前に訪問した学校も生徒数が増え、近隣に新しい学校が建てられました。

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どちらの学校にも訪問し、折り紙を教える時間の相談を事前に済ませます。アーミッシュの学校の先生は独身の若い女性が勤めることが多く、この学校にも二人ずつ若い女性の先生がいました。

彼女たちは明るい笑顔で私たちを迎えてくれて、快く折り紙を教える日程を調整してくれました。

浅沼先生がこれまでの訪問で培ってきた信頼関係がベースにあるからでしょう。遠いアジアの国から来た私たちを歓迎してくれました。

突然現れた4人の折り紙インストラクター

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浅沼先生と学生の二人は教育学が専門。アメリカの小学校をいくつも訪問しており、各学校で生徒に折り紙を教えてきたそうです。さすが、不特定多数の生徒に対して折り紙を教えるための段取りがスムーズ。私も「折り紙インストラクター」の一人としてアーミッシュの子ども達の前に立ちました。

アーミッシュの子ども達にとっては、日本人も折り紙も完全なる非日常。最初は大人しく、真顔でこちらをじっと見つめているだけ。・・・かなり、やりづらいです(笑)

それでもめげずに折り紙を各生徒に配って、実際に折り方を説明していくと、だんだんと子ども達の態度が変わってきます。

「折り方がわからないから見て欲しい。」
「私のも折って欲しい。」

と声がかかりはじめました。

何せ、折り紙がはじめての子ども達に最初から難易度の高い鶴を教えていたので、一人で折れないのは当然。

私たちインストラクターが手取り足取り助けながら、折り進めて行きます。

でも、難易度の高い折り紙に挑戦するからこそ、インストラクターが必要になり、子ども達はいやが応でも私たちと交流することになります。このやりとりをすることで、かなり、子ども達の緊張がほどけてきました。

年少から年長までいっぺんに教える

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アーミッシュの学校は8年制で、すべての学年の子が同じ一つの教室で学びます。学校一つあたり生徒数は20-30人ほど。小さい子どもからほとんど大人の容姿の子までいっぺんに教えます。
>アーミッシュが「アーミッシュの学校」をつくった理由

年長の子達はさすがに器用。私たちがアシストしなくてもすいすいと正しい形で折っていきます。当然ですが、ものすごく折るのがうまい子も中にはいて、手先の器用さを感じます。

完成した折り紙に大興奮する子どもたち

ひとつ折り紙が完成すると、子ども達の表情がみるみる変わるのが目に見えて分かります。
「あんな紙きれ一枚がこんなリアルな鶴になるなんて、すごい!感動!」と、顔に書いてあるような表情を見せてくれて、こちらも嬉しくなります。

出来上がった鶴を近くの友達と見せ合ったり、インストラクターにサインを求めたり(笑)大興奮。場は、かなりあたたまってきました。

極めつけの折り紙レッスンは、ぴょんぴょんカエルです。

これは、カエルのお尻の部分にバネを作るので、ぴょんぴょんと跳ねさせることができる作品。子どもウケ抜群なことは、想像にかたくないですよね。

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鶴もできてカエルもでき上がると、子どもたちは完全に折り紙の虜。他の作品も作りたがるので、ピアノやバルーンも教えてあげます。

さらに、浅沼先生が準備していた紙風船やけん玉を紹介すると、飛びついて遊びはじめます。

紙風船が飛び回り、けん玉の音が鳴り響き、折り紙のカエルや鶴が同時に大量生産される、というほとんどカオス状態に(笑)

子どもの勢いは万国共通ですね。元気で、素直で、無我夢中。私は子どものこうゆう性質が大好きなので、個人的にも楽しいひとときを過ごしました。

BUS is coming!

1時間くらい時間を過ごしていると、帰りのバスが学校の前に迎えにきました。
「BUS is coming!」と先生が大きな声で知らせると、折り紙に夢中だった子ども達がいっせいに手を止めてバスに向かって走り出します。

折り紙を持ち帰る子もいれば、なんの未練もなく机に放っておく子も。

どうやらこのアーミッシュの学校は、スクールバスと提携しているらしく、子ども達はバス通学だそう! 運転手はアーミッシュではなく一般のアメリカ人でした。

きっと、コミュニティが広くて歩いて通える距離ではないのでしょう。アーミッシュはこのように、必要に応じて車やバスを利用することもあります。その際のポイントは、自らが運転しないこと。

車を所有して運転することはしないけど、他人の車に乗ったりバスのサービスを利用することは許されているのです。
>アーミッシュは車に “乗る” けど、決して車を “持たない” 。なぜ?

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子ども達が一斉に帰ったあとの教室には、紙風船が転がってました。

自分のペットを連れて登校する「ペットデイ」

私たちが折り紙を教えた2つの学校のうち一つは、「ペットデイ」という日に該当する日でした。

何かというと、自分の飼っているペットを学校に連れてくる日です。

日本人の私たちからしたら、「なんやそれ!」とツッコミを入れたくなる取り組みですが、アーミッシュの子ども達はしっかり、一人1匹、自分のペットを連れて来ていました。

うさぎのペット。
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ポニーのペット。
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キジ??!!
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【番外編】アーミッシュの学校のトイレ

アーミッシュの学校のトイレは、いわゆる「ボットン」です。

学校の校舎の中ではなく、離れにトイレの小さい建物があることが普通です。
こんなふうに。

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こちらのトイレは可愛い外見。
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特にこの男女別サインが。
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トイレの中はいたって質素です。
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安心してください^^ もう一つ隣に、仕切りのある個室もありました。

訪問を終えて

学校を2件訪問し、子ども達や先生と交流させて頂き、私も子ども達に負けじ劣らぬくらいの興奮を覚えました。
アーミッシュの子ども達は、なぜか分からないのですが、とっても可愛いらしい子が多いのです。

誤解を恐れずに言うと、容姿が整っている子が多いように感じるのは、私の気のせいではないと思います。おそらく、彼らのヨーロッパでのバックグラウンドと遺伝の関係かと思うのですが・・・詳細は分かりません。

また、一般的なアメリカ人と比べて圧倒的に肥満が少なく、体型がスマートです。さらに、全員が同様のデザインのフォーマルな印象の服を着ているので、なんだか学校全体がとっても絵になるんです。
子ども達を写真に写すことを控えていたので、実際の光景をお見せすることができず残念です。
アーミッシュの学校はなんというかとても、美的感覚をくすぐる空間なのです。

そんな「美しい」場所に身を置いて、折り紙を通してアーミッシュの子ども達と交流できるなんて、本当に素晴らしい体験だと思います。
この場を借りまして、浅沼先生と学生のお二人にはお礼を致します。

また、このように私たちと同じような経験をしたい方がいたら、ぜひアテンドしたいとも思いました。方法を、模索しようと思いますので、ご希望の方がいたらご連絡くださいませ。

ウィスコンシン州のアーミッシュコミュニティ紀行については、あと何回か記事をUPする予定です。乞うご期待♪


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