アーミッシュの人たちは本当に健康的?

アーミッシュに関する驚きのニュースが再び

アーミッシュに関するニュースが話題になることはたびたびあります。
アーミッシュの少女が犠牲になった悲しい銃乱射事件や、アーミッシュのアレルギー耐性のニュースなど。

アーミッシュの生活が一般的な現代的生活とは異なるため、その「特徴」がしばしば私たちを驚かせます。

今回も驚きのニュースが世界中で話題になっています。
アーミッシュには寿命を10年伸ばす遺伝変異があるという記事です。

twitterでも色々なコメントがあって、興味深いです。

まだ「発見」という段階なので、実用化は先の話。でも、この遺伝特徴を応用できたら、これまで誰も手に入れることができなかった寿命を延ばすという「技」を人類が使えるようになるのでしょうか。

そんな世界を想像すると、怖くもあります。。。

アーミッシュの人たちは本当に健康的?

071212icatch私が実際に見た限りの見聞だと、アーミッシュの人たちは確かに健康的な生活をしているように見えます。
掃除機や全自動洗濯機などの家電製品を使わないので、必然的に家事は重労働になります。

たいていの家庭に納屋があって、家畜を育てたり馬を保有しているので、納屋仕事もあります。

子どももたくさんいるので、子育ても忙しい。
子どもたちはゲーム機やパソコン、iPadなどを持たないので、外で元気に走り回って遊びます。

車を持たないので、必然的に「移動」はたいへん。
歩いたり、自転車に乗ったり、キックスケーターに乗ったり。
遠い場合は馬車を走らせて移動します。

現代人に比較すると、身体を動かす機会が多いという視点では、確かに健康的。

ただ、食生活は・・・・そうでもないなぁという印象。

日本人の方が健康的な食生活かも?

アーミッシュが住んでいるところは、たいてい内陸部です。つまり、海がない。

なので、食生活も肉や根菜などが中心になります。
アーミッシュ料理として有名なパイ、ミートローフ、マッシュポテトなどは確かに美味しいのですが、
新鮮な魚介類をほとんど食べる機会はほとんどなさそうでした。

一般的なアメリカ人と同じようにレストランで食事をしたりファーストフードを利用することもあります。
アメリカのお菓子やケーキって、私たち日本人にとっては甘かったり油っぽかったりしますよね。
そういうものを、アーミッシュ達は喜んで食べていました。つまり、糖分、油分、塩分は高めの食事に慣れています。

私がアーミッシュコミュニティで滞在しているときに、アーミッシュたちと一緒に食事をしたり、
日本食を作って食べてもらってみたり、「食」に関してコミュニケーションをする機会がいくどとなくありました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
彼らは一般的なアメリカ人と同様、アイスクリームが大好きだし、コカコーラなどの市販の炭酸飲料も飲みます。スーパーで売っているスナック菓子やチョコレートも抵抗なく食べますし、夕食の時間にスナック菓子をおかずのように食べていることもありました。

「アーミッシュは自給自足でホームメイドのものしか食べない」というイメージがあります。彼らは確かに、なるべく自給自足で生活しようと努めていますが、食料を外で買うことに対してはそれほど抵抗を感じているようには見えませんでした。

しかも、滞在の最後の方では、アーミッシュの友達に「日本人は健康的な食事をしているんだね。味付けも濃くなくて、食べているものもヘルシーみたい」と言われました。
正直、私も同感です(笑)

なので、食生活という観点でみると、とりたてて「アーミッシュは健康的」とは言えないのでは? というのが私の印象です。

アーミッシュの遺伝子

アーミッシュが他のアメリカ人よりも長く生きる遺伝子を持っている。という可能性については、十分ありえると思います。

ほとんどのアーミッシュが近隣コミュニティーに住む同じアーミッシュと結婚します。この習慣が300年以上も繰り返されているので、なんらかの遺伝的特徴があることは想像にかたくないです。

今回は「長寿」というポジティブな遺伝的特徴の発見でしたが、ネガティブな遺伝的特徴があるということも聞いたことがあります。
(ここでは確かな論文を読んだことがないので、深い言及は避けておきます)

精神的・金銭的に「健康」な老後

一つ、アーミッシュ社会が羨ましいと思うことがあります。
それは、アーミッシュのおばあちゃん・おじいちゃんには孫が平均49人いるということ。

アーミッシュは平均7人の子供を持ちます。その子供たちもそれぞれ7人の孫を持つわけですから、49人という計算。

7人の子供、49人の孫に囲まれた老後。想像しただけでも、賑やかで、孤独死とは無縁そう。
アーミッシュの社会では介護施設や老人施設に入ることもなく、子供や孫が自宅で面倒を見てくれるのが一般的です。

自宅で血のつながった家族と老後を過ごすことがイコール長寿に関係あるとは言えないのですが、
金銭的・精神的な意味で「健康的に老いる」ことにはつながりそうだと思いました。

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