アーミッシュがアーミッシュ以外の人と結婚する方法
アーミッシュの結婚に関する決まりごと
アーミッシュとして洗礼を受け、所属する教会のルールに従って生きることを決めたら、誰とでも結婚できるわけではなくなります。
結婚したら、夫婦は同じ教会に属さなければいけないので、「同じ教会のアーミッシュと結婚すること」という決まりもあります。
でも実際は、所属する教会から異動することが可能なので、「アーミッシュとして洗礼を受けていること」というのが結婚相手の条件になります。
私のアーミッシュの女友達は、8歳年上の古くからの知り合いと結婚しました。
彼はもともとは違う教区のメンバーだったので、友達が属している教区に籍を移してきたとのこと。
友達も彼も既にアーミッシュとして洗礼を受けていたので、この場合の結婚はスムーズです。
ノンアーミッシュとアーミッシュが恋におちたら……
アーミッシュも人間。もちろん自由に恋愛をします。
そして、アーミッシュはノンアーミッシュの人とも一緒に仕事をしたりイベントに出たり近所付き合いをします。
当然、ノンアーミッシュとアーミッシュが恋におちることだってあります。
洗礼を受ける前にノンアーミッシュと恋愛することは、教会はNGにしておりません。
なぜなら、洗礼を受けていなければ正式にはアーミッシュ(教会メンバー)ではないから。
世間体や心理的抵抗はもちろんあるでしょうが、厳密には自由に恋愛ができます。
でも、こと結婚となると難しくなります。
アーミッシュは、洗礼を受けている同じ教会メンバーと結婚しなければいけません。
なので、選択できる道は2つ。
1,ノンアーミッシュの方がアーミッシュになる
2,アーミッシュの方がアーミッシュでいることをやめる
私はどちらのパターンも聞いたことがあります。本で呼んだり、ネットを通して知ったり。
近所に住む未亡人のアーミッシュに恋をして、自分もアーミッシュになることを選んだおじさんの話。
洗礼を受けた後にノンアーミッシュの男の子に恋をして、アーミッシュをやめた女の子の話。
アーミッシュになることとアーミッシュをやめること、どちらが難しい?
ノンアーミッシュがアーミッシュになることは、少し想像してみれば難しいだろうと予測がつきますよね。
自分が明日からアーミッシュになると想像してみてください。
スマホ、エアコン、車、多くの娯楽を断ち切るのは誰にとっても難しいと思います。
でも実は、アーミッシュがアーミッシュでいることをやめる、というのもとても難しいことなのです。
なぜなら、アーミッシュには「シャニング(忌避)」という慣習があるから。
これは、アーミッシュとして生きるためのルールを破った人が、自らの行いを悔い改めることをしなかった場合、その人はシャニングをされることになるという文化です。
シャニングの実行方法は教会によっても違うと思うのですが、基本的には家族と同じテーブルで食事をとることが許されなかったり、家族の行事に参加することができなかったり、強い言葉を使うと、「追放」に近いかもしれません。
洗礼を受けたアーミッシュがノンアーミッシュと結婚することは、アーミッシュの掟破りの行為です。
ですので、もし結婚をするのでばれば、家族を含む教会メンバーからシャニングされるというわけ。
シャニングが行われると、実質的には家族と会うことが許されなくなるので、アーミッシュにとってかなりの大きな罰となります。
ですので、アーミッシュがアーミッシュをやめてノンアーミッシュと結婚するという道もなかなかハードルが高いというわけ。
1,ノンアーミッシュの方がアーミッシュになる →ノンアーミッシュがアーミッシュの生活をするのは難しい
2,アーミッシュの方がアーミッシュでいることをやめる →アーミッシュをやめるとシャニングを受け家族に会えなくなってしまう
1,2のどちらをとっても試練ということです。
アーミッシュのシャニング(忌避)については、彼らのアイデンティティに関わる重要な慣習ですので、また別の記事でも取り上げたいと思います。
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