アーミッシュの言葉・ペンシルヴァニアダッチとは?

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アーミッシュ以外はみんな「イングリッシュ(Emglish)」

アーミッシュはペンシルヴァニアダッチという独自の言語を持っています。

言語イコール文化といいますが、アーミッシュは独自の言語を維持することで自分達のアイデンティテイを確立するとともに、外の世界と自分達の世界を区別しています。

面白いのは、アーミッシュはノンアーミッシュのことを「イングリッシュ(English)」と呼びます。
これは、ペンシルヴァニアダッチではなく英語を話す人達を指す言葉で、転じて「アーミッシュ以外の人達」という意味になっているよう。

ですので、アーミッシュにとってみたら日本人である私もイングリッシュ。

たとえ英語が覚つかない私でも、アーミッシュと対峙するときは立派なイングリッシュなんです。

シチュエーションによって言語を使い分けるアーミッシュ

というわけで、アーミッシュにとっては英語はイングリッシュ達と会話するときの言葉であり、仲間内の言葉はペンシルヴァニアダッチ、と明確に使い分けています。

私が滞在していた家庭でも、子供も大人もこの二つの言語を区別して使っていました。

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(子供がポニーが引くバギーに乗せてくれた。英語で馬の扱い方を教えてくれるアーミッシュの男の子。)

 

 

兄弟、親と話すときは基本的にはペンシルヴァニアダッチだけど、私がいるときは会話に入ってこれるように英語で話してくれていました。
異国の土地からわざわざアーミッシュの文化を学びたいと訪問してきている私に気を遣ってくれていたんだと思います。ありがたいです。

でもさすがに、緊急のときや込み入った相談をしたいときはペンシルヴァニアダッチを使います。

そんなときの私は、目がはてなマークのちんぷんかんぷん。

少しでもペンシルヴァニアダッチが分かれば、アーミッシュのことをもっともっと知ることができるのに……。

そんなフラストレーションを抱えているときに、アーミッシュコミュニティの本屋でこの本を見つけました。
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ペンシルバニアダッチの入門書。

誰がアーミッシュの言葉を学ぶ?

すごくニッチなニーズをついてきている本だと驚きました。

アーミッシュ達はペンシルヴァニアダッチのネイティブスピーカーですから、この本を買う必要はありません。
アーミッシュと仕事をしたり会話したいと思うイングリッシュの人達も、アーミッシュの方が英語を話せるので苦労はありません。

どんな人がわざわざペンシルヴァニアダッチを第二言語として学ぼうとするのでしょう?

この疑問をアーミッシュの友達に投げかけてみたら、「あなたみたいな人が買うんじゃない?」と。

なるほど。

私のようにアーミッシュの文化について学んでいる人にとってはドンピシャなテキストですが、そんな人はアメリカ人の中でもそれほどいないんじゃないかな……。

余計なお世話だろうけど、このテキストの売り上げを心配しながらも即時購入。

ペンシルヴァニアダッチの独学を始めました。

(……少し嘘つきました。まだ始めていません。始めようと思っていて怠けています。)

ドイツ語に似ているアーミッシュの言語

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ドイツ語を話せる人は、写真のテキストの中の単語をみてドイツ語と似ていることに気がつくかもしれません。
私はドイツ語があいにく分からないのですが、正確にいうと、ドイツの南のある地方の言語と酷似しているらしいです。
ドイツ語の派生語という位置づけになるのかな?

アーミッシュはドイツから来たドイツ人でドイツ語を話す、というようによく誤解されるようですが、それは間違い。

厳密にはスイスと一部のドイツの地方がルーツ。スイスではドイツ語が今でも公用語の一つですので、アーミッシュがドイツ語と似た言語を話すのも納得できます。

テキストの中身を見たアーミッシュの友達が驚くべきことを口にしました。

「このペンシルヴァニアダッチのテキストは、ランカスターの方の言葉だね」と。

私の友達はオハイオのホルムス郡に住んでいますが、このテキストはペンシルヴァニア州のランカスター郡の言葉だと。

アーミッシュの言語にも方言がある

よくよく聞いてみると、一口にペンシルヴァニアダッチといっても、地方ごとに話すアクセントや単語がすこしづつ異なるらしいです。

テキストの中の「農夫」という単語がオハイオの言葉ではなくランカスターの言葉で記載されていたので気がついたとのこと。

さらに驚くのは、私の友達がランカスターのアーミッシュと話すときは英語を遣うそう。

アクセントが違いすぎて、ペンシルヴァニアダッチだと意思疎通が難しいのだそうです。

てっきりアーミッシュ同士が話すときは必ずペンシルヴァニアダッチを遣うと思い込んでいましたが、例外があるようでした。

日本の関西弁と東京の言葉ほどの違いがあるのか、果ては津軽弁ほどくらいの違いがあるのかは定かではありませんが、現代のアーミッシュ語にも地方による差があるのですね。

この本がどの地方のペンシルヴァニアダッチなのかを見てみました。

20151112_5著者はアーミッシュの家庭で生まれたネイティブアーミッシュスピーカー。

ランカスターで話されているペンシルヴァニアダッチをまとめているという言及がありました。
そして、地域ごとにペンシルヴァニアダッチが違う、という注釈も。

ということは、例えこの本をマスターしたとしも、オハイオのアーミッシュと難なく話せるわけではないということか。

アーミッシュ語、奥深いです。。。

とはいえ、地方ごとの言語の差が目立ってくるのはある程度のレベルに達してからでしょう。
初歩的な文法や単語は共通しているはずなので、まず初めの基礎固めをするのには問題ない範囲のはずです。

言い訳を並べてないで勉強を始めることが大事。ということだけは、頭では分かっているのです。。。

2 件のコメント

  • Yuki より:

    こんにちは。ドイツとの国境に近いフランスのアルザス地方ストラスブール在住です。主人が地元アルザス語もドイツ語も分かるので、写真のテキストを見せたところ、ほとんど意味が分かる、アルザス語にかなり近いと言ってました。やはりアレマン語系なのは間違いないですね。またアーミッシュの人たちがアメリカに渡る前に住んでいたのはアルザス地方のボージュ山脈の谷にあるSainte Marie aux mines (サントマリーオミン)と言われていますが(minesは英語のマインで、鉱山の意味、昔ここで銀が採れたことに由来する)、私もこの村には行ったことがあるのですが、パッチワークが有名だったそうです。アーミッシュのキルトの歴史がこんなところから繋がっているのだなぁと興味深く拝見致しました。

    • amish より:

      Yukiさん
      興味深いコメントありがとうございます!
      拝読して、Sainte Marie aux minesに是非行ってみたくなりました。
      言葉も、「ほとんど意味がわかる」とは驚きです。本当に、(歴史的事実なのですが)アーミッシュのルーツなんですね。。
      アーミッシュは飛行機に乗って旅行をすることがほぼないので、自分たちのルーツを訪れることはないはずですが、彼らのことを調べている私としてはぜひ一度、訪れたい村です。
      私の方でも調べて何かしら記事にしようかな、と思います。
      貴重な情報、ありがとうございます^^

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