【リアル・アーミッシュ #1】学生の頃に書いたレポート文を公開します

10年前に書いたアーミッシュについての文章

高校3年生のときにはじめてアーミッシュの存在を知ってから、彼らのことを調べ続けてきました。
大学生のときに実際にアーミッシュのコミュニティに訪れ、そして大人になった今、再び彼らのところに訪問しました。

e0099267_126416
▲学生の頃に訪問したときの写真

実は最近、学生の頃の訪問の直後にレポートを書いていたことを思い出しました。
【ミニマリストへの道DAY1】アーミッシュのような”持たない暮らし”に向けてという活動で部屋の中を整理していたら、レポートが出てきたんです。
(USBとかSDカードとかのデータではなく、印刷用紙のレポートです!)

久しぶりに読み返してみたら、我ながらなかなか面白い体験をしていました。当時の私のあどけない興奮や大げさな感受性も垣間見えて、微笑ましい部分も多くありました。
このレポート、公に向けて発表したものではなく、限られた人だけに読んでもらったものです。

このまま葬り去れれるのもかわいそうという気持ちもありつつ、一つの期待が浮かびました。このレポート、このサイトの読者の方たちなら面白く感じてもらえるのではないか?という期待です。

アーミッシュのライフスタイルをいくつかの切り口でまとめられていて、私の感想と考察がそれぞれに綴られているのですが、学術的な堅苦しい文章でもなく読みやすい。なにより、アーミッシュの暮らしに興味のある人にとってはそれなりに価値がある情報かと。

ということで、もう10年ほど前に書いた文章であり、幼いところも多々ありお恥ずかしいのですが、思い切って公開することにします。

紙に印刷されたデータしか残っていなかったので、ちょっとずつ書き起こしていきます!

情報として間違っている部分は修正しますが、ほとんど当時の文章のままにします。直しはじめると、キリがなさそうなので……。
ご興味ある方はしばしお付き合い頂けると嬉しいです。レポートのタイトルは、「リアル・アーミッシュ」です。


序文

アーミッシュ。彼らのライフスタイルはとても特異である。彼らが私たち非アーミッシュのライフスタイルを否とする一方、私たちは彼らのライフスタイルに注目し、それを理想化しさえする。なぜだろうか。そこには何が起きているのだろうか。文献上のアーミッシュではなくて、リアルな彼らを感じて、とにかくそれを探りたい。そんな欲求が抑えられずに、私はアメリカに飛んだ。

はじめに〜アーミッシュはどういう人達か。

この活動を通して、私はアーミッシュがどのような人々であるのか定義できなくなった。
アーミッシュカントリーで日常的に行われているオークション会場に集まる彼らは、子供から大人まで、みんな同じ服装をしている。
しかし、一見同じ様に見える彼らも、コミュニティ単位、家族単位、個人単位で考えも違えば、毎日の過ごし方も違う。
アーミッシュは一様ではないのだ。だからこそ、アーミッシュはこうだと定義するのは危険で、身勝手な行為かもしれない。
ただ、それでは埒が明かないので、最低限言えることを注意深く表すことにする。

アーミッシュとは現在アメリカ・カナダに住むキリスト教の一派である。
現在人口は約30万人(※2016年現在の情報に修正済)。バックグラウンドはスイス、オランダ、ドイツなどで、宗教迫害から逃れ今から300年ほど前にアメリカに移住してきたグループだ。
(※参考記事:アーミッシュ宗派の起源を簡潔にまとめてみた
基本的には教会を持たず、礼拝は各家庭で持ち回り制。
(※参考記事:アーミッシュは教会を持たない。どこで礼拝を行っているかというと……
ペンシルヴァニダッチという独自の言語を話し、TVやコンピューター、電話、自動車などの文明の利器を家庭に置かず、近代社会とは一線を画して暮らしている。普通、男性は無地のシャツ・吊りズボンを着用し、結婚すると顎髭を伸ばす。
女性はこれも無地のワンピースにボンネットというシンプルな装いをしている。簡素さ徹底し、目立つ箇所にはボタンまで使わず、虫ピンやホックを用いる。
(※参考記事:赤ちゃんもお母さんもおばあちゃんも同じ形。アーミッシュのワンピース

一家族平均8人ほどの子供は、8年制の独自の学校に通いながら、家での仕事をびっくりするくらいよく手伝う。
バギーという馬車が主な交通手段なので、馬を飼い、広い農場を持つ家庭が多い。
家族、親族、共同体の結束が強く相互扶助の習慣が根付いているため、政府の社会保険制度を利用しない。
家族、コミュニテイで共に生きることを重んじ、なるべく聖書の言葉通りに生活していくという考えがこれらの生活様式の根底に流れる。

アーミッシュの生活体系には列挙しだしたらキリがないほど多くの特徴がある。
今回の訪問で、アーミッシュカントリーのガイドをしているある女性に出会った。彼女はアーミッシュに関して確固たる考えを持っており、自分の信念に基づいて世界中の人々にアーミッシュの生活を紹介している。
アーミッシュに対する関心はここ数年で急激に高まり、アーミッシュを謳った観光アトラクションも目立つ。彼女のビジネスも大変人気があり、その質の高さからであろう、初めの頃は年にたった4回だったバスツアーの依頼も、今では200回を超えるという。
彼女が私に与えてくれたアーミッシュを表す二つのフレーズは、アーミッシュを理解するのに的を射た、貴重な言葉である。それをここでも紹介したい。

The Amish prefer to control technology rather than let technology control them.
(アーミッシュはテクノロジーに支配されるよりも、それをコントロールしようとする。)
They live their faith.
(彼らは信仰に生きている。)

訪問に向けて

当初の計画は、アーミッシュのコミュニティに赴き、オークション会場や農場で彼らに話しかけ、用意したインタビュー形式のアンケートに答えてもらい、そこから研究の糸口を得ようというものであった。
今思えばあまり現実的じゃない考えだと思う。アーミッシュが突然現れた東洋人からいきなりアンケート用紙をもらって、真摯に回答してくれるとは思えない。
彼らは毎日の生活に忙しいし、アーミッシュ以外の人とは一定の距離を保つため、おいそれとは引き受けまい。
何より、アンケート結果から彼らの生活を窺うよりも、自分の目で見て、実感しなくては何も見えてこないのではないか、と今は思う。
何はともあれ、まずどうやったらアーミッシュカントリーに行けるのかを調べ始めたが、すぐに日本での情報量の少なさに愕然とした。
アメリカでは歴史の教科書に必ず出てくるほどアーミッシュの認知度は高く、アーミッシュが売りの観光も発達しているのだが、日本ではまだまだ知らない人も多い。
アーミッシュは直接私たちに関係ないかもしれないが、そのライフスタイルから考えさせられるものは大きいし、アメリカの全人口に対するアーミッシュ人口の比率は増え続けている。やはり、アーミッシュのことを私達は正確に知っておくべきではないだろうか。何より、私は逢いたい。等と考え、難航する計画をどうにか進めた。
アーミッシュカントリーへの訪問経験を持つ何人かの方から助言を頂いたが、たいてい、自動車の免許も持たず、かつコネクションの無い私の訪問は難しいだろう、という意見あった。そんなとき、藁にもすがる思いで連絡をとったのが、アーミッシュに関する本の著者であり、写真家でもある菅原千代志さんだった。
菅原さんと出会えたことは私にとって本当に幸運だった。というのも、菅原さんの協力のおかげで、私の今回の訪問が実現し、さらにとても有意義なものとなったからだ。

次のレポート:リアル・アーミッシュ #2】現実のアーミッシュの世界にいよいよ潜入

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です