アーミッシュに折り紙を教えたらハマってくれた
今年の9月、私はアメリカはオハイオ州のアーミッシュの家に滞在していました。
その家庭には子供がたくさんいて、折り紙を教えたら喜ぶかも?という海外に行く日本人らしい発想をアーミッシュにも適用してみました。
折り紙は日本伝統の遊びで、デジタルなものはいっさい使わないし、アーミッシュの教えに背く要素はない。
アーミッシュの子供は情報社会に生きるアメリカの子供のようにグローバル化してないので、折り紙をはじめて見るはず。
一枚の紙が立体的な動物になる過程に感動してくれるかも?
という算段でした。
一番簡単なピアノから
まずは私が子供の頃によく作っていたピアノを披露。
折り紙を教える時のポイントは、難しい芸術的な作品よりも、子供でも簡単に折れる作品から始めることでは?
サクっと完成させてペンで鍵盤を描いて、「ピアノだよ!」と見せてみると、子供達も感動。
教えて教えて!とすぐにせがんできました。
掴みはOK.
8歳と12歳のアーミッシュの女の子は、すぐに折り方を覚えてくれました。
お上手!
次は金魚。
ピアノのあとは、金魚に挑戦。
私は前の晩に予習をしていて、折り方を思い出すためのカンニング用としてiPhoneに画像を保存をしていました。
iPhoneを取り出して確認しながら、金魚を完成させるとこれまた興味津々の様子。
この金魚、かなりリアルに金魚に見えるので、子供ウケはいいんです。
折り方も意外と簡単なので、なんとか完成させてくれました。
ただ、金魚のシッポの部分の折り返しが少し難しいようで、私が作った綺麗な尾っぽと、自分が作った尾っぽを見比べて、「どうやったらこういうふうに綺麗にできるの?」と研究をはじめました。
私も何が違うのかよく分からなかったので、アーミッシュと3人であれでもないこれでもないとディスカッション。
結局、尾っぽを作るときのハサミの切り込み具合が重要だと突き止めました。
アーミッシュの子達は、ハサミの切り込みを入れすぎだった。
「ハサミで切るときは、ペンで印をつけてから切れば、切り過ぎないね。それがコツだね」という結論に達し、それからはキレイな金魚が作れるように。
「折り方を覚えたい!」と12歳の女の子。
復習のため一人で何回もチャレンジしました。
子供にとっては魔法に見える、「パクンチョ」
ピアノと金魚をマスターしたら、次は「パックンチョ」を教えました。
これは、立体的で指を入れて遊べるので、子供ウケはいいはず。
サクサクと折って指を入れて動かしてみると、子供達の目の色が変わります。
遊びに来ていた親戚の男の子にあげると、ハニカミながらも嬉しそうに「ありがとう」と言って持ち帰ってくれました。
アーミッシュの子達にしてみたら、折り紙のパックンチョは紙のマジックのように感じるのかしら。
パックンチョに舌や目や眉などの顔を書き込んであげると、さらに感動してくれました。
少し難しい「うさぎ」
お次はうさぎ。
うさぎは風船みたいに息を吹き込んで膨らますタイプ。
これも、息を吹き込んでカタチを整える、という工程を面白がってくれて、吹き込み口がヨレヨレになるまで遊んでくれた。
さすがに折り方が少し難しくて、8歳の子は覚えられなかったよう。
12歳の女の子は、ものすごく頭を使いながら、「うーん、うーん」とうなりながらも覚えようと頑張っていました。
覚えたての折り紙を披露
そのうちに、他の兄弟やお父さんお母さんが帰ってきて、折り紙に興味を示してきました。
8歳と12歳の女の子が、得意がって、「ピアノはこう折るんだよ」「金魚はこうつくるんだよ」と披露してたのが可愛い。
他の子供達は目をキラキラとさせて、「私にも教えて!」とせがんでくる。
ちょっとした人気教師にでもなった気分。
年上の兄弟や大人のお父さんお母さんも不思議がって完成した作品に見入ってたのが面白かった。
アーミッシュとの距離を縮めてくれた折り紙
大量のピアノと金魚が完成。
気がついたら2時間以上も折り紙に集中していたよう。
夕食後から作りはじめたので、窓の外は真っ暗。子供達が寝る時間ももうすぐ。
「またやろうね。金魚とピアノ、忘れないでね。次はまた面白いの教えてあげるから」と折り紙レッスン1日目は終了。
折り紙は子供ならず大人までの好奇心を誘う永遠の伝統芸。
折り紙を一緒に折る過程でコミュニケーションもできる。
滞在していたアーミッシュの家族達との距離が一気に縮んだような気がして嬉しかったです。
ありがとう、折り紙。
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