アーミッシュは腕時計をつけないのに時間通り現れる

アーミッシュの服装に対する価値観

シンプルであること。
プレーンであること。
柄がないこと。
無駄な装飾がないこと。

これらはアーミッシュのファッションに対する価値観。

装飾品をつけないという暗黙のルールも、代々受け継がれているアーミッシュにとっての「当たり前」。

ネックレスやピアスをつけないし、指輪もつけない。

結婚式では夫婦で指輪を交換するシーンもない。

ジュエリーをつけたりおしゃれをするのは、個人の自我を主張する行為なので推奨されていません。

ジュエリーはつけなくても特に困ることはなさそうですが、腕時計は普段の生活に支障がでそうです。

アーミッシュはどうやって時間を管理しているのでしょう?

まさかアーミッシュには時間の概念がない?

いえいえ。そんなことはありません。

「何時から始まるオークションに行くから家を何時に出るよ」というような会話は当たり前だし、
時間を基準に毎日のスケジュールを立てています。

家の中には掛け時計がかけてあるのを見たので、時計を使う習慣ももちろんあるよう。

腕時計だけ使わないんですね。

時計がないのに、時間通り現れるアーミッシュ


何度か、アーミッシュと一緒に買い物にでかけたことがあります。

私の運転するレンタカーにアーミッシュを乗せて、ウォルマートで食料品を買い込んだり、モールで友達へのギフト商品を買ったり。

アーミッシュは車がないので、滅多にショッピングマートに行く機会はありません。

私が遊びに来ているタイミングでレンタカーを利用して、ここぞとばかりに日用品を買い込むつもりのようです。
(私としても大歓迎♪)

大体、「1時間後の○時にここの入口で」というように集合時間を決めて各自買い物を楽しむようにしていました。

アーミッシュ友達は時計を持っていないのに、時間通り集合できるのかな? と毎回不安になります。

ところが、私の不安とは裏腹に、毎回、時間通り現れるのでした。

ぶれはジャストタイムの前後5分ほどでしょうか。

ウォルマートやショッピングモールって、意外に時計が掛けてないんです。

それなのにどうしてアーミッシュは時間がわかるのでしょう。

時間を感じる感覚

「なんで時計がないのに時間通り来れるの?」と単刀直入に聞いてみました。

アーミッシュ友達は、当然のように、「なんとなく分かるんだよね」と一言。

実はバックの中に時計を隠し持っているというわけでも、近くの人に時間を聞くわけでもないようです。

本当に「なんとなく」分かるのでしょうね……。

普段から腕時計のない生活をしているから、時間の感覚が研ぎ澄まされているのかな、と思います。

使わないと使い物にならなくなる、人間の能力

時々思うんです。

私達は、便利な物についつい頼ってしまって、自分の頭・能力を使う機会がどんどん減っているな、と。

計算機があるから暗算なんてしない。だからどんどん計算能力が落ちている。(私だけ?)

パソコンで簡単に変換して漢字をつかっているけど、いざ書こうと思うと書けない。

電車の乗り換えも記憶と経験で組み立てられるはずなのに、毎回「乗り換え案内アプリ」を起動してるから、
いつまで経っても地下鉄の路線を覚えられない。

挙げ始めたらキリがなさそうです。

乗り換え案内がない時代は、時刻表をめくって自分で計算してルートを決める能力があったのに。
パソコンを使わなかった頃は「鬱」って漢字まで書けたのに。
飲み会の割り勘計算もスマホが出る前までは暗算でやっていた気がする。

筋肉を使わないと落ちていくように、人間の能力も使わないと、磨かないと落ちていくと思います。

語学だってそうですよね。留学でかなり話せるようになっても、帰国して日本の生活に戻ると衰えていく。

私のアーミッシュ友達が「なんとなく」時間が分かるというのは、時間を察する能力を毎日使って磨いているからなのでしょう。

きっと、私にもその潜在能力はあるはずで、普段腕時計に頼り切っているから能力が開花しない。

こうやってどんどんどんどん機械に頼ることで、私は自力では何もできない人間になっていくのでは。という恐怖感をぞわりと感じました。

腕時計云々で、飛躍しすぎかもしれませんが。

とにもかくも。

時間を察する能力はアーミッシュと私で比較するとアーミッシュに軍配が上がります。

他にも、「自力でやる」というもろもろの能力は、どう考えてもテクノロジーに頼らないアーミッシュに軍配が上がりそうな気がします。

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