電話を持たないアーミッシュの連絡方法
アーミッシュは電話を家に置かない
オールドオーダーアーミッシュの人達は、電話を家に置きません。
(ニューオーダーアーミッシュは電話を持っている人も)
電話がかかってくることによって外部との接触が増えたり、
家族団らんの時間が遮られることを良しとしていないのが大きな理由だと思います。
もちろんスマートフォンなどの携帯電話も持ちませんから、とても不便。
まったく電話が使えないのは不便過ぎて生活が立ち行かなくなってしまうので、
彼らは妥協案を考えました。
電話を家に置いてはいけないけど、家の外に置くのは良いと。
アーミッシュコミュニティを旅しているとたまに小さな電話ボックスなんかを目にすることがあります。
まさにそれは、アーミッシュの電話。
自宅の外に電話を設置して、何世帯かで共有しているのです。
↓ピンクのしるしがついてる小屋が電話BOXです。
電話の利用方法
この電話、架ける分には通常通り利用できますが、架かってきた電話をリアルタイムに取ることはできないですよね。
家から離れていて、電話のそばにいないときの方が多いから。
そういうときにアーミッシュが利用しているのが「コールサービス」という機能です。
私は実際に利用したことはありませんが、どうやら留守電のような機能みたいです。
自分用のナンバーに架かってきた電話のメッセージが保存されていて、後から聞くことができるようです。
聞くときはもちろん、電話ボックスの中でですが。
私の友達のアーミッシュも、自分宛てにメッセージが録音されているかを確かめるため、定期的に電話ボックスまでチェックしに行っていました。
家族や親せき、友人とのやりとりも大体このコールサービスを利用するそうです。
「明日はオークションに行くので○時にバギーで迎えにいくね」とか、
「BBQをやるので○時にうちにこないか」とか。
メッセージを残した翌日くらいにまた電話ボックスに行って、返事が来ていないかも確認します。
結構、手間がかかるのですが、必要な要件のみのやりとりなので、世間話や相談など私達がするような長電話は皆無に近いと思います。
コミュニケーションミスもよくあること
ある日、アーミッシュの家族と建築中の新居の見学に出かけました。
新居に着くと誰もおらず、鍵もすべて閉まっています。
アーミッシュと一緒に家の周囲をくまなく探しましたが、大工さんがどこかに隠したという鍵は見つけられません。
「コールサービスのメッセージでここにあるって言っていたんだけど…」とアーミッシュも困り気味。
私はその時携帯を持っていたので、「よかったら私の携帯で電話して確かめる?」と提案してみました。
アーミッシュは、誰かの携帯を使うことまでは禁じられていないので。
私の携帯をつかって確認したもの、相手がいないのかコールサービスのメッセージがないのか、
とにかく大工さんとのコンタクトはとれませんでした。
電話がリアルタイムにできないため、段取りを組みきれないまま当日になってしまったのがいけなかったようです。
電話が家にないと、こういうコミュニケーションミスもよくあるのだと思います。
あまり気にしないようで、「じゃ、帰ろうか」と軽ーい感じで終わりました。
ちなみに、新居はとても広く、障害のある子どもも安全に過ごせそうな造りになっていました。
農場のスペースも広く、家畜を飼う納屋も充実。典型的なアーミッシュハウスでした。
とにかく敷地が広くて開放的。子どもも庭を走り回って遊べそう。日本では北海道くらいにしかないのでは?と感じるような大草原の中のお家でした。
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